土用の丑の日にうなぎを食べる習慣
「土用の丑の日に鰻を食べる」のは江戸時代からです。
これには諸説があって、真説は定かではありませんが、一節によりますと、
当時有名な科学者であった平賀源内が、鰻屋の依頼で看板を書いた時がたまたま「土用の丑の日」であったため
『本日 土用の丑の日』
と達筆で大きく書いてうなぎ屋の店頭へ掲げたところ大評判となり千客万来。これを見た他のうなぎ屋も真似るようになったそうです。
私たちは年中うなぎを食べていますが、土用の丑の日にうなぎを食べるというのはこういった経緯があったのかもしれません。
土用の丑の日は夏だけじゃない
土用の丑の日というと、夏だけのイメージがありますが実は春夏秋冬の各季節にあることをご存じですか?
土用とは古代中国で考え出された思想の陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)に基づき割り当てられた期間で、
簡単に言いますと、各季節の終わり18日~19日間のことを言います。
ちなみに今年(2025年)の土用の丑の日は、こちらの通りです。
冬 | 1月20日、2月1日 |
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春 | 4月26日 |
夏 | 7月19日、7月31日 |
秋 | 10月23日、11月4日 |
新子(しんこ)うなぎ
養殖うなぎの中でも1年経たない若いうなぎのことを新子と呼び、皮も柔らかく、身も脂が乗り、小骨も少なく美味しい状態のうなぎです。
鰻(うなぎ)の栄養
うなぎは他の魚に比べて他を寄せつけないくらいにビタミンAの含有率が多い魚で、うなぎ100gに対して5000IUという成人の1日に必要な量を摂取できます。
このビタミンAは、目の働きを良くしたり、がんを抑制するはたらきもあると言われる栄養素です。
実は一般的な魚のビタミンAは内臓(特に肝臓:レバー)に集まるので調理の際に処理されてしまいがちですが、うなぎの場合は体全体にビタミンAが行き渡っているのでどこを食べてもビタミンAを取り入れることができます。
また、ビタミンA以外でもうなぎは非常に栄養価が高く、コレステロールや中性脂肪など血管や血液に関する病気の予防にも効果があるEPA(エイコサペンタエン酸)や、脳の働きを活発にし学習効果をあげたり、痴呆の予防にも効果があるDHA(ドコサヘキサエン酸)、美肌や老化防止効果が期待できるビタミンEが多く含まれています。
うなぎの歴史
鰻料理の歴史は古く、万葉の時代から食べられていました。そして江戸時代になり庶民の食べ物として定着しました。
関東(江戸前)と関西で鰻の焼き方が違う
関東(江戸前)
鰻は背中から背開きにし、内臓と骨をとって頭を落とします。
その後、白焼きにして蒸します。蒸し上がったらタレをつけて焼き上げます。甘くないあっさりしたタレが江戸前風鰻の特徴です。
背開きをする理由は、江戸には武士が多かったので腹開きは切腹を連想させるために敬遠されたからと言われています。
関西
鰻を腹から腹開きにし、内臓と骨をとりますが頭は切り落としません。蒸さずにそのまま焼きます。関西風うなぎは「蒸し」の行程がないため、脂が多いのでその脂に負けない強く垂れないトロっとしたタレを使用するのが特徴です。
腹開きにする理由は、大阪は商人の街だったため、「腹を割って話す」ということで腹開きになったと言われています。
ちなみに九州は、背開きで頭を落とさない焼き方が一般的です。
うなぎ魚政は、江戸前風の調理方法をしております。
こんなに違う、天然うなぎ
うなぎ魚政で取り扱っている鰻を動画でお見せします。
生きている「天然鰻」と「国産のうなぎ」の違いをぜひご覧下さい。
大きい鰻が「天然鰻」小さい鰻が「国産のうなぎ(上)」です。